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自営業や個人事業主で売上が落ち、住宅ローンの引き落としが心配になったら、まず住宅ローンの借入先へ、返済日前に相談しましょう。「来月の受注が戻れば払える」と考える場合も、その仕事の入金が返済日に間に合うかは別に確認する必要があります。
この記事は、すでに住宅ローンを返している自営業者に向けた内容です。新規借入の審査対策ではなく、事業のお金と家計のお金を分け、当面の不足額を把握して、返済条件や住まいの選択肢を相談する手順を整理します。相談しただけで支払いが免除・停止されるわけではありません。
- 帳簿の売上ではなく、返済日までに使える現金はいくらか。
- 事業の支払いと生活費を引くと、住宅ローンにいくら回せるか。
- 一時的な入金遅れか、毎月の赤字が続く状態か。
売上・利益・手元資金は分けて考える
売上があるのに口座のお金が足りないことはあります。請求済みでも未入金なら、その代金で今日の引き落としに対応することはできません。また、売上の入金があっても、仕入れや外注費などの支払いが続けば、全額を生活費には回せません。
ここでは税務上の所得計算ではなく、支払日にお金が足りるかを見るための簡単な資金繰り表を作ります。今ある預金、確定している入金、支払い予定を日付順に並べてください。口座を複数使っている場合は、同じ資金を二重に数えないようにします。
- 売上:仕事・商品の取引額。入金済みとは限りません。
- 利益:売上から費用を差し引いて考える経営上の数字。口座残高とは一致しません。
- 返済に使えるお金:実際の入金と支払い、必要な生活費などを踏まえて判断する金額です。
たとえば「今月は売上80万円」とだけ銀行へ伝えるより、「入金予定60万円、事業の支払い35万円、生活費22万円、住宅ローン10万円」と説明した方が、どこで不足するかが伝わります。数値は実際の通帳や請求書と照合し、見込みの受注は確定分とは別欄に置きましょう。
今月の不足額を出す:入出金を分けた計算例
以下は当サイトが作成した仮の家計・資金繰り例です。特定の世帯の実績や、金融機関の審査基準ではありません。事業の支払いには借入返済も含め、税金・保険などのために取り分けるお金も別に確保する前提です。
| 項目 | 月内の金額 |
|---|---|
| 事業の入金 | 60万円 |
| 事業の支払い | 35万円 |
| 税金・保険等への取り分け | 5万円 |
| 生活費(ローン以外) | 22万円 |
| 住宅ローン | 10万円 |
| 月内の差引 | 12万円の不足 |
計算は60万円-35万円-5万円-22万円-10万円=マイナス12万円です。自由に使える預金が30万円あっても、同じ不足が続けば3か月目には足りなくなります。これは収支を毎月同じと仮定した単純計算で、実際には月の途中で先に残高が不足する可能性があります。
月末だけでなく、次の返済日、仕入代金の支払日、売掛金の入金日にも残高を計算します。入金予定が返済日の翌日なら、月全体が黒字でも当日の引き落としには間に合いません。入金が遅れる場合の影響を確認し、取引先との日程調整と銀行への連絡を早めに進めます。
この表は支払順位を一律に決めるものではありません。税金や事業の債務を独断で後回しにするのではなく、支払いが難しい項目はそれぞれの窓口へ相談してください。生活を削れば必ず返せる、という無理な前提も置かないようにしましょう。
自営業でも住宅ローンの返済条件を相談できる?
住宅金融支援機構の返済方法変更メニューでは、自営業者の受注減・売上減などによる減収も事情の例に含まれています。ただし、収入等の条件や変更後の返済見通しの確認、審査があり、希望どおりの変更が認められるとは限りません。
これは機構の対象融資についての案内です。民間銀行を含むすべての住宅ローンに同じ条件が適用されるわけではありません。まず自分の契約で、返済額の一時的な減額、期間延長、元金据置などを相談できるか確認します。詳細は住宅金融支援機構の返済方法変更メニューが参考になります。
月額を下げる提案を受けたときは、終了後の月額、完済時期、今後の総支払額も並べて判断します。当面の減額が事業回復までの時間を作れても、回復後に返済できない計画では問題が先送りになります。元金据置と終了後の注意点も確認してください。
銀行には「減った理由」と「戻る根拠」を分けて伝える
相談では、前年の確定申告書だけでなく、足元の状態を説明できる資料が役立ちます。次の一覧は準備の候補であり、すべてが必須という意味ではありません。必要な期間・書式は借入先に聞き、資料がそろうのを待って返済日を過ぎないようにしましょう。
- 住宅ローンの資料:返済予定表、残高、次回返済日、毎月額とボーナス加算。
- 過去の収入資料:確定申告書や決算関係書類など、借入先から指定されたもの。
- 現在の事業資料:月別の売上・経費、通帳、売掛金の入金予定、事業借入の返済予定。
- 家計の資料:世帯の収入、必要生活費、税金・保険の支払予定、使える預金。
- 今後の見通し:受注済みの仕事と未確定の商談を分けた入金計画。
「景気が戻ったら払う」だけでは時期や金額が分かりません。「主要取引先の発注が減り、今月から月12万円不足する。翌月に確定入金はあるが、その先の受注は未定」と、分かっている範囲を率直に説明します。希望額も、生活と事業を継続できる数字を基に伝えましょう。
銀行から追加資料を求められたら、提出期限と次の連絡日をメモします。申請中の返済をどうするか、変更が成立した場合の適用開始日も確認してください。機構の案内でも、相談、申請、審査、契約の手順が示されています。具体的な準備は返済相談に必要な書類と伝え方にまとめています。
事業の借入と住宅ローンは相談先・契約を混同しない
事業借入と住宅ローンを同じ金融機関で借りていても、担当部署や契約は異なる場合があります。住宅ローン担当者には事業借入も含む支払い状況を説明し、事業借入の担当者にも家計への影響を伝えて、連絡先を整理します。一方の条件変更が、もう一方にも自動で反映されるとは考えないでください。
資金不足を追加借入で埋める案を考えるときは、その借入の使途条件と返済原資を確認します。新たな借入金を収入が増えたかのように扱うと、翌月以降の不足を見落とします。「今月払えるか」と「借金全体を返し続けられるか」を別々に計算することが大切です。
自宅が事業借入の担保にもなっている場合や、店舗・事務所を兼ねている場合は、住まいだけの問題として切り離せないことがあります。契約書や担保関係の資料を持参し、売却や債務整理の前に金融機関・法律の専門家へ確認してください。家を売れば事業借入もすべて解決すると決めつけないようにします。
回復が見えないときは、住まいを維持する案と売却する案を比較する
毎月の不足が続き、減額しても預金が減り続けるなら、受注回復だけに頼らない案も必要です。住まいを維持する場合は、変更後のローンだけでなく、固定資産税、修繕費、マンションの管理費なども含めます。事業経費を削る案も、売上を維持できるか併せて検討します。
売却する場合は、査定価格ではなく、費用を差し引いてローン返済に使える見込み額を確認します。残債が残るか、住み替え後の家賃や引越し費用はいくらか、自宅で行っていた仕事に別の場所が必要かも整理してください。高い査定額だけで生活再建の可否は判断できません。
残債や担保の事情で通常の売却が難しい場合は、任意売却を含めた相談が必要になることがあります。成立や借金の免除が約束されるものではありません。事業も含む債務全体について法的な検討が必要なら弁護士等へ、住まいの売却の選択肢は対応する不動産の相談窓口へ、目的を分けて相談します。
売却の基本手順は住宅ローン返済中の家を売るときの確認事項を参照してください。督促など期限のある通知が届いているときは、資料作成だけを続けず、通知に記載された窓口へ早めに連絡しましょう。
よくある質問
赤字の確定申告書しかなくても相談してよい?
返済が難しい見通しなら、黒字になるのを待たずに借入先へ連絡してください。条件変更が認められるかは個別の審査によります。前年の数字に加え、直近の入出金と今後の見通しを説明できるようにします。
来月に大口入金があれば、そのまま待ってよい?
返済日より入金が遅ければ、当日の不足は残ります。予定額・予定日・遅延の可能性を確認し、返済が間に合わない見込みを事前に伝えます。入金を期待して、借入先への連絡を省略しないようにしてください。
家を売る相談をしたら、必ず売らなければならない?
情報収集と売却契約は別の段階です。相談時に費用、依頼の範囲、契約を結ぶタイミングを確認し、住まいを維持する案とも比較します。署名する前に契約内容を読み、分からない点をそのままにしないことが大切です。
まとめ:入金日と不足額を示して、返済日前に相談する
自営業の住宅ローン返済では、売上の額だけでなく、事業と家計の支払い後に残るお金を確認します。入出金を日付順に並べ、今月の不足と継続的な赤字を区別し、借入先へ相談しましょう。回復の根拠が弱い場合は、住まいの維持と売却後の生活を早めに比較することが、選択肢の整理につながります。
一次情報と確認日
確認日:2026年10月9日。制度の説明は以下の一次情報に基づきます。資金繰り表と数値例は当サイト独自の整理で、金融機関の審査基準や個別の返済提案ではありません。


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