住宅ローンが払えない家を親族に売れる?購入資金・価格・住み続ける条件

親族に家を売る前にについて購入資金・売買価格・住み続ける条件の3点を示した画像 返済・見直し

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住宅ローンの返済が厳しくなり、「子どもや兄弟に家を買ってもらい、そのまま住み続けたい」と考えることがあります。しかし、親族が買うと言ってくれただけでは、今のローンや抵当権の問題は解決しません。売却代金で完済できるか、買う側がお金を用意できるか、売却後の生活費を負担できるかを別々に確認する必要があります。

この記事では、返済が難しい住宅を親族へ売る案について、借入先への相談、売買価格、購入資金、税金、住み続ける約束の順に整理します。親族間で売買することと、債権者の同意を得て進める任意売却は同じ意味ではありません。家族の好意だけに頼らず、成立条件と家計を数字で確かめましょう。

先に確認する3点

  • 家の名義と住宅ローンの債務者は、別々に確認します。
  • 売却代金で完済できないときは、抵当権の抹消条件を債権者に相談します。
  • 親族が住むためのローンがあっても、親族間売買に使えるとは限りません。

親族に売る場合も「完済できるか」から整理する

最初に、予定する決済日に必要な返済総額と、売却代金から諸費用を差し引いた金額を比べます。返済予定表の残高だけでなく、経過利息、手数料、滞納がある場合の扱いも借入先に確認してください。仲介手数料や登記関係の費用などを無視して、「売買価格とローン残高が同額だから大丈夫」と判断しないことが重要です。

たとえば、完済に必要な金額が2,000万円、売買価格が1,900万円、売却に伴う費用が80万円という仮定なら、返済へ回せる金額は1,820万円で、180万円が不足します。これは説明用の数字であり、費用の相場や承認される金額を示すものではありません。不足分を自己資金で補うのか、完済できない前提で債権者へ相談するのかによって進め方が変わります。

通常の売却手順は、住宅ローン返済中の家を売る手順で確認できます。親族が買主でも、決済時にどの口座からいくら支払い、どの登記を行うかまで整理する必要があります。

名義を変えるだけでローンを引き継げるわけではない

「家の名義を子どもに変えれば、返済も子どもへ移る」とは考えないでください。所有権の移転と債務の引継ぎは別の手続きです。家族間の約束だけで、金融機関との契約内容を変更することはできません。

フラット35の案内では、返済途中で住宅を譲る場合は原則として融資金全額の返済が必要とされ、承諾を得た債務引継ぎが認められる場合もあるものの審査が必要です。これは対象融資の案内です。自分の契約で何が認められるかは、返済途中で住宅を譲り渡す場合の案内などを参考に、現在の借入先へ確認しましょう。

相談時には、「親族へ売却する案」「親族が新たに資金を借りる案」「今の契約を引き継ぐ希望」を混ぜずに伝えます。窓口で必要な審査や書類が異なるためです。先に名義変更を済ませたり、承諾が出る前提で支払いを止めたりしないでください。

完済できない売却は、家族だけで価格を決めない

住宅金融支援機構の任意売却では、価格査定、売出価格の確認、抵当権抹消の審査などを経て進みます。未確認の価格で購入者を見つけても、抹消に応じられない場合があると案内されています。参考:住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」。

したがって、親族に買ってもらう案も「家族だから安く売ればよい」とは判断できません。まず買主との関係、購入可能額、資金の準備方法、売却後に誰が住むのかを仲介業者と債権者へ正確に伝えます。関係を隠して第三者間売買のように進めるべきではありません。

希望価格に根拠があるかも重要です。近隣の売出価格だけでなく、成約事例や建物の状態、修繕の必要性を踏まえた査定を用意しましょう。家族の希望額、買える上限額、物件の評価額は一致するとは限りません。任意売却で進めるときの全体像は、任意売却の流れと注意点を参照してください。

買う親族の資金は、売る側の返済とは分けて考える

買う側が現金を用意する場合も、その後の生活費や教育費、修繕費を残せるかを確認します。ローンを使う場合は、親族間売買であること、住む人、購入する目的を初めから金融機関へ説明してください。通常の商品説明に年収や年齢の条件が書かれていても、その取引が融資対象になるという意味ではありません。

フラット35には、親や子などが住む住宅の購入等を対象とする親族居住用住宅の仕組みがあります。ただし、「親族が住む住宅」と「親族が売主になる取引」は別の論点です。このページがあることを根拠に、今回の売買で融資を受けられると断定しないでください。売買関係を含めた利用可否は取扱金融機関へ個別に確認します。

親族に購入の意思があっても融資額が足りない、必要時期までに審査が終わらないという場合があります。買う側の希望だけで売却手続きを長く止めず、いつまでに資金の見通しを確認するかを決めましょう。契約前には融資が不成立となった場合の扱いも専門家に確認します。

安すぎる価格には贈与税の問題もある

国税庁は、個人から著しく低い価格で財産を譲り受けた場合、時価との差額が贈与とみなされることを案内しています。低すぎるかどうかは個別事情によるため、「時価の半分以上なら必ず問題ない」といった線引きはできません。参考:国税庁「個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」。

売買価格を決める前に、査定資料、ローン残高、売主と買主の関係、資金の出どころを税務署や税理士へ示してください。売る側と買う側では検討する税金も異なります。「身内なので税金はかからない」「残債と同じ価格なら問題ない」と自己判断しないことが大切です。

価格の相談と、代金を実際に払えるかの確認も分けます。契約書に金額を書くだけでなく、支払時期と方法、決済資金の流れが説明できる状態にしましょう。親族間のお金の移動を伴う場合は、その性質も曖昧にしないでください。

住み続けるなら、家賃・修繕・退去条件を決める

親族に売った後も住み続ける場合、売買の成立だけで安心せず、家の使用条件を決めます。家賃を払うのか、無償で使うのか、税金や設備交換を誰が負担するのかを明確にしてください。適切な契約の形は専門家に確認し、口約束だけにしないことをおすすめします。

  • 毎月負担する住居費と支払日
  • 固定資産税、火災保険、管理費等の負担者
  • 給湯器や屋根など大きな修繕費の負担者
  • 居住期間と、継続・退去を話し合う条件
  • 親族の事情が変わったときの連絡・協議方法

家賃が月6万円でも、売却後の残債返済や保険、修繕への積立を合わせると負担が大きくなる可能性があります。売る側の家計だけでなく、買う親族の家計でも無理がないか確認しましょう。親族のローン返済をこちらの家賃だけに頼る計画なら、支払いが遅れた場合の影響も共有する必要があります。

親族への売却が難しいときの比較順序

第一に、現在の借入先で返済条件を相談できるか確認します。第二に、親族への売却と第三者への売却を、価格・費用・期限・その後の住居費で比べます。第三に、売却しても借金が残る場合は返済方法を確認し、必要に応じて弁護士などへ債務全体を相談します。

残債の扱いは、任意売却後に残ったローンの返済相談も参考にしてください。親族へ売却できても残債が自動的に免除されるわけではありません。督促状など期限が記載された通知がある場合は、家族の結論を待つだけでなく、差出人や借入先へ連絡しましょう。

相談前に1枚へまとめること

相談用のメモには、①所有者と債務者、②借入先と残高、③滞納の有無と通知の期限、④親族が出せる資金、⑤売却後の居住希望、⑥毎月負担できる住居費を書きます。未確定の融資や援助は「未確定」と明記し、確実に使える資金と分けてください。

親族への売却は、家族の協力を得られる選択肢の一つです。ただし、家を残すことだけを優先して買う側まで返済困難になれば、生活再建につながりません。借入先の承諾条件、適切な価格、買主の資金、売却後の家計をそろえてから判断しましょう。

一次情報と確認日

確認日:2026年10月26日。本文で示した住宅金融支援機構・フラット35・国税庁の公式情報を確認しました。利用条件、債権者の判断、税務上の取り扱いは取引内容により異なります。例示した金額は説明用であり、融資や任意売却の成立を保証するものではありません。

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