「住宅ローンを借り換えたら返済額はどれくらい下がるの?」「今の金利上昇局面で借り換えた方がいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローンを、新しい金融機関の住宅ローンへ切り替えることです。うまく活用できれば、毎月返済額や総返済額を減らせる可能性があります。また、変動金利から固定金利へ見直して、将来の金利上昇リスクを抑える目的で借り換える人もいます。
ただし、借り換えは「金利が下がるなら絶対得」という単純な話ではありません。新しい住宅ローンを組み直すため、事務手数料、登記費用、司法書士費用、繰上返済関連費用などがかかることがあります。借り換えによるメリットが大きく見えても、諸費用を差し引くとあまり得にならないケースもあります。
この記事では、2026年9月時点の公式情報をもとに、住宅ローン借り換えの仕組み、メリット・デメリット、費用、タイミング、住宅ローン控除への影響まで、初心者にもわかりやすく解説します。
住宅ローンの借り換えは、「金利差」「残高」「残り期間」「諸費用」をまとめて比較して判断するのが基本です。
今より金利が低い住宅ローンへ切り替えられても、費用を回収できなければ得とはいえません。
住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローンを、新しい住宅ローンで完済し、その後は新しい金融機関へ返済していく仕組みです。
たとえば、A銀行で借りている住宅ローンを、B銀行の住宅ローンへ切り替える場合、B銀行から新たに借りた資金でA銀行の住宅ローン残高を一括返済し、その後はB銀行へ返済を続けます。
借り換えの主な目的は、次のようなものです。
- 今より低い金利へ切り替える
- 毎月返済額を減らす
- 総返済額を減らす
- 変動金利から固定金利へ見直す
- 団体信用生命保険(団信)の保障内容を見直す
- 返済計画を家計に合わせて再設計する
つまり借り換えは、単に「安い住宅ローンへ乗り換える」だけでなく、家計全体を見直すための手段でもあります。
借り換えで得するかどうかの基本的な考え方
住宅ローン借り換えで大切なのは、金利差だけを見ないことです。
一般的には、次の4つをまとめて確認します。
- 現在の住宅ローン金利
- 借り換え後の住宅ローン金利
- 現在の住宅ローン残高
- 借り換えにかかる諸費用
たとえば、今の住宅ローンより金利が0.5%下がったとしても、残高が少なく、残り返済期間も短ければ、支払利息の減少額は小さくなります。その場合、借り換え諸費用の方が高くなり、結果的に損になることもあります。
反対に、住宅ローン残高が大きく、返済期間が長く残っている場合は、金利差がそれほど大きくなくても借り換えメリットが出やすくなります。
2026年9月時点の金利イメージ
2026年9月時点では、住宅ローン市場でも商品ごとの差が大きくなっています。たとえば、三菱UFJ銀行の住宅ローン金利では、お借り換えの変動金利が年1.245%と案内されています。
一方、全期間固定金利の代表例であるフラット35では、2026年9月資金受取分の最も多い金利が、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下で年3.460%です。
つまり、借り換え先を選ぶときは、単純に「一番低い数字」を見るのではなく、変動金利なのか、固定金利なのか、また自分の条件で実際に適用される金利はいくらかを確認しなければいけません。
変動金利の仕組みが気になる方は、住宅ローンの5年ルール・125%ルールとは?もあわせてご覧ください。
借り換えメリットのイメージ
たとえば、次のような条件で考えてみます。
- 住宅ローン残高:3,000万円
- 残り返済期間:25年
- 現在の金利:年1.80%
- 借り換え後の金利:年1.245%
- 返済方法:元利均等返済
この場合、毎月返済額は概算で次のような差が出ます。
| 項目 | 現在 | 借り換え後 |
|---|---|---|
| 適用金利 | 年1.80% | 年1.245% |
| 毎月返済額(概算) | 約124,000円台 | 約116,000円台 |
| 差額 | ― | 毎月約7,000円台の軽減 |
ただし、この差額はあくまで借り換え費用を含まないイメージです。実際には事務手数料や登記費用などがかかるため、最終的には総返済額ベースで比較することが大切です。
借り換えでかかる主な諸費用
住宅ローンの借り換えでは、次のような費用が発生することがあります。
- 新しい住宅ローンの事務手数料
- 保証料(商品による)
- 抵当権設定の登録免許税
- 抵当権抹消費用
- 司法書士報酬
- 契約書の印紙税(契約方法による)
- 現在の住宅ローンの繰上返済手数料や経過利息
金融機関によっては、事務手数料を「定額」にしているところもあれば、「借入金額の○%」としているところもあります。そのため、同じ金利でも実際の総費用は大きく変わることがあります。
また、フラット35借換融資では、一定の条件のもとで、融資手数料、抵当権設定・抹消費用、司法書士報酬、完済手数料などを借入額に含められる場合があります。ただし、借入額が増えれば利息負担も増えるため、諸費用を上乗せすれば有利とは限りません。
借り換えの判断は、「毎月返済額がいくら下がるか」だけでなく、「諸費用を払っても総額で得になるか」で考えましょう。
借り換え判断で重要な3つの基準
1. 住宅ローン残高がまだ大きいか
住宅ローン残高が大きいほど、金利低下による利息軽減効果も大きくなります。借り換えを検討する価値が高いのは、一般的にまだ残高が十分にある段階です。
2. 残り返済期間が長いか
返済期間が長く残っているほど、低金利の恩恵を長く受けられます。残り3年の人と残り25年の人では、同じ金利差でもメリットが大きく異なります。
3. 金利差と諸費用を回収できるか
もっとも重要なのがここです。借り換え後に減る利息総額が、事務手数料や登記費用などの諸費用を上回るなら、金銭的なメリットが見込めます。逆に、回収できないなら借り換えは慎重に判断すべきです。
変動金利から固定金利へ借り換える考え方
借り換えは「より低い変動金利に切り替える」だけではありません。近年は、変動金利の将来上昇を心配して、固定金利へ借り換える人もいます。
固定金利へ借り換える場合、借り換え直後の金利は上がることもあります。しかし、その代わりに返済終了までの返済額が見通しやすくなり、家計管理の安心感が高まります。
固定金利商品として代表的なフラット35については、フラット35とは?金利・審査条件・メリット・デメリットで詳しく解説しています。
借り換え時は再審査がある
住宅ローンの借り換えでは、新しい住宅ローンを申し込むことになるため、改めて審査があります。
主に確認されるのは、次のような項目です。
- 現在の年収
- 勤務先や勤続年数
- 年齢
- 他の借入状況
- 信用情報
- 現在の住宅ローン返済状況
- 物件の担保評価
住宅購入当時より収入が下がっていたり、他の借入が増えていたりすると、希望どおりの条件で借り換えできない場合があります。現在の住宅ローンを問題なく返済していても、自動的に審査が通るわけではありません。
借り換えると住宅ローン控除はどうなる?
住宅ローン控除を利用している人にとっては、借り換え後も控除が続くのかが重要です。
国税庁によると、借り換え後の新しい住宅ローンであっても、もともとの住宅ローンの返済のための借入であることが明らかであり、かつ返済期間10年以上など住宅ローン控除の要件を満たしている場合には、引き続き住宅ローン控除を受けられます。
ただし注意点もあります。借り換えによって、住宅ローン控除の適用年数が最初からリセットされるわけではありません。あくまで、最初に居住を開始した年からの控除期間が基準になります。
また、借り換え時に諸費用などを住宅ローンへ含め、新しい借入額が借り換え前残高を上回る場合は、住宅ローン控除の対象となる年末残高の計算に注意が必要です。
住宅ローン控除の基礎知識は、2026年住宅ローン控除|新築・中古の条件と最大控除額でも詳しく解説しています。
団信の見直しも借り換えのメリット
住宅ローン借り換えの際には、団体信用生命保険(団信)も見直せる可能性があります。
今の住宅ローンでは一般団信だけでも、借り換え先ではがん保障や3大疾病保障など、より手厚い保障を選べることがあります。逆に、健康状態によっては新しい団信に加入しにくくなることもあるため、借り換え前に確認が必要です。
金利だけでなく、団信の保障内容を含めて比較することで、より納得感のある借り換え判断ができます。
フラット35借換融資の主な条件
全期間固定金利へ借り換えたい場合には、フラット35借換融資も選択肢になります。
主なポイントは次のとおりです。
- 申込時年齢は原則70歳未満
- 年収に対する総返済負担率の基準がある
- 住宅取得時に借り入れた住宅ローンの借入日から申込日まで1年以上経過していること
- 申込日前日までの1年間、正常に返済していること
- 借入額は100万円以上1億2,000万円以下
- 借換対象住宅ローン残高または機構による担保評価額の200%のいずれか低い額まで
また、フラット35借換融資は、住宅ローン以外のローンや、住宅リフォームのみのローンの借り換えには利用できません。
借り換えを検討した方がいい人
- 今より低い金利の商品を選べる可能性がある人
- 住宅ローン残高がまだ多い人
- 返済期間が長く残っている人
- 変動金利の上昇リスクを抑えたい人
- 団信保障を見直したい人
- 家計改善のため毎月返済額を下げたい人
特に、残高が大きく返済期間も長い人は、一度シミュレーションしてみる価値があります。
借り換えを急がなくてもいい人
- 現在の適用金利がすでにかなり低い人
- 住宅ローン残高が少ない人
- 完済までの期間が短い人
- 数年以内に売却や住み替えを考えている人
- 諸費用を含めるとメリットがほとんど出ない人
借り換えは、周囲がやっているからという理由で急ぐものではありません。総額で見てメリットがあるかどうかを、落ち着いて確認することが大切です。
よくある質問
Q. 金利差はどれくらいあれば借り換える価値がありますか?
一律の基準はありません。住宅ローン残高、残り期間、借り換え諸費用によって結果が変わるため、総返済額ベースで判断する必要があります。
Q. 借り換えると住宅ローン控除はなくなりますか?
一定の要件を満たせば、借り換え後も引き続き住宅ローン控除を受けられます。ただし、控除期間が借り換えで延長されるわけではありません。
Q. 借り換えでは必ず再審査がありますか?
はい。新しい住宅ローンを契約するため、年収、勤務先、信用情報、物件評価などについて改めて審査があります。
Q. 変動金利から固定金利へ借り換える意味はありますか?
あります。毎月返済額の安定や将来の金利上昇リスクを抑える効果があり、安心を重視する人に向いています。
Q. 借り換え諸費用も新しい住宅ローンに含められますか?
金融機関や商品によっては可能です。ただし、その分借入額が増えるため、利息負担も増える点には注意が必要です。
まとめ|住宅ローン借り換えは「金利」ではなく「総額」で判断
住宅ローンの借り換えは、今より低い金利の住宅ローンへ切り替えることで、毎月返済額や総返済額を減らせる可能性があります。また、変動金利から固定金利へ見直すことで、将来の金利上昇リスクを抑えることもできます。
しかし、借り換えには事務手数料や登記費用などの諸費用が発生するため、単純に金利だけ比べて判断してはいけません。
「借り換え後に減る利息や返済額」から「借り換えにかかる諸費用」を引いて、本当にプラスになるかを確認することが重要です。
さらに、住宅ローン控除、団信、金利タイプの違いまで含めて比較すれば、失敗しにくくなります。
借り換えを検討する際は、現在の残高、残り期間、現在の金利、借り換え後の条件、諸費用を一度整理し、シミュレーションで総額比較してみましょう。
※本記事は2026年9月13日時点の公開情報をもとに作成しています。住宅ローン金利、諸費用、審査条件、税制の取扱いは変更される場合があります。実際に申込・借り換えを行う際は、各金融機関、住宅金融支援機構、国税庁の最新情報をご確認ください。


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