住宅ローン借り換えで返済期間を延ばすと得?月額・総額・5年後残高を比較

住宅模型と計算機を背景に、住宅ローン借り換えの期間延長を月々の返済・総支払額・5年後残高で比較する画像 住宅ローンを選ぶ・見直す

住宅ローンを借り換えるとき、「返済期間を延ばせば毎月の支払いをもっと減らせる」と聞いて迷っていませんか。金利が下がり、返済期間も長くなれば、月額は小さくなりやすい一方、完済までの支払いが必ず減るとは限りません。

比較したいのは、月額・諸費用込みの総支払額・将来の残高の3つです。この記事では、現在の住宅ローンを通常どおり返済していて、借り換えによる家計の見直しを検討する方に向けて、期間を延ばす場合の考え方を整理します。試算の金利は説明用の仮定で、現在の募集金利や審査後の適用金利ではありません。

先に結論

  • 返済期間を延ばせるかは、借り換え先の商品条件と審査で決まります。
  • 月額の減少には、金利低下の効果と元金返済を先送りする効果が混ざっています。
  • 同じ期間で借り換える案も並べ、完済年齢と途中の残高まで確認しましょう。

借り換えで残りの返済期間を延ばせる?

借り換えは、新しい住宅ローンを契約して現在のローンを返済する手続きです。現在の契約の返済期間をそのまま変更する相談とは異なり、新しい借入条件を満たす必要があります。返済期間も自由に選べるわけではなく、金融機関ごとに設定可能な範囲があります。

たとえばSBI新生銀行は、借り換え時に残存期間にかかわらず最長35年まで借りられる旨を案内しています。ただし申込時・完済時の年齢条件などがあり、希望期間を必ず利用できるという意味ではありません。検討する銀行の商品説明書と個別の見積もりで確認してください。参考:SBI新生銀行「借り換えで、返済条件を見直しませんか」。

窓口やシミュレーターでは「借入期間は最長何年ですか」だけでなく、「自分の年齢・現在の契約・物件条件では何年まで可能ですか」と確認します。一般的な最長期間と自分に認められる期間を分けると、利用できない条件で比較を進めるのを防げます。

月額だけでなく、3案を同じ条件で比べる

最初から期間延長ありの案だけを選ぶと、金利低下による効果が見えにくくなります。まず、現在のまま返す案、残り期間を変えずに借り換える案、期間を延ばして借り換える案の3つを並べましょう。

以下は当サイト独自の概算です。残高2,000万円、元利均等返済、ボーナス返済なしとし、現在は年1.5%で残り20年、借り換え後は年1.0%で20年または25年と仮定します。借り換え費用60万円は開始時に現金で払い、ローンには組み込みません。すべての案で金利が完済まで一定という比較です。

返済プラン 月々の返済 今後の総支払額
現在のまま
1.5%・20年
約96,509円 約2,316.2万円
借り換えA
1.0%・20年
約91,979円 約2,267.5万円
借り換えB
1.0%・25年
約75,374円 約2,321.2万円

総支払額は、これから支払う元金と利息に、借り換える案では60万円の費用を加えたものです。すでに支払った利息は含めません。月額は円単位、総額は万円単位で表示上丸めていますが、差額は丸める前の計算値に基づきます。

同じ20年で借り換えるAでは、月額が約4,530円下がり、費用込みの総額も約48.7万円減ります。25年に延ばすBでは、月額は現在より約21,135円下がりますが、総額は約5.0万円増えます。この例では「月2万円以上軽くなる」と「トータルで得になる」は同じではありません。

AとBだけを比べると、Bは月額が約16,604円低い代わりに、総額は約53.7万円高くなります。家計に余裕を作るため、その追加負担を受け入れるかが判断点です。金利差や費用、延長する年数が変われば結論も変わるため、この数値を全員に当てはめないでください。

計算は年利を12で割った月利で毎月返済する前提です。実務上の端数・日割り、保証料の返戻、税効果、別途の保険料、繰上返済は反映していません。借り換え費用の回収の考え方は、借り換えの損益分岐点と諸費用の比較も参考にしてください。

5年後の残高を見ると「先送り」が分かる

長い期間で返すと、毎月の元金の減り方も変わります。今後売却や住み替えを考える可能性がある方は、完済までの総額に加え、5年後など同じ時点の残高を比較してください。先ほどの条件で60回返済した直後の概算は次のとおりです。

返済プラン 5年後の残高
現在のまま・20年 約1,554.7万円
借り換えA・20年 約1,536.8万円
借り換えB・25年 約1,639.0万円

Bの残高はAより約102.1万円多くなっています。毎月の支出を抑えられていても、将来返す元金が同じだけ減っているわけではないと分かります。5年以内に売る可能性が高いなら、完済まで住み続ける前提の総額だけでは判断できません。

途中時点の比較では、その時点までに払った返済額、最初の諸費用、その時点の残高を一緒に確認します。売却代金や完済手数料なども関係するため、「5年間の月額差」だけを利益として数えないことが大切です。

完済が退職後になる場合は年齢を並べる

たとえば45歳から残り20年で返す計画なら完済は65歳、25年で返す計画なら70歳です。これは単なる5年の差ではなく、働き方や収入が変わる時期と重なる可能性があります。銀行の完済年齢の条件を満たすことと、家計に無理がないことは別に確認しましょう。

  • 現在の手取り収入で返済する期間
  • 定年・再雇用などで収入が変わる予定時期
  • 年金などを中心に返済する期間
  • 教育費や住まいの修繕費が重なる時期

退職金で一括返済するつもりでも、退職金の金額と受取時期を確定したものとして扱わないでください。老後の生活費や医療費の備えも必要です。退職金を全額返済に使う案だけでなく、一部を手元に残す案でも返済予定表を確認します。

期間延長で浮く分を貯蓄に回す設計はできますが、毎月必ず残せるとは限りません。使途を決めずに生活費へ吸収されると、長く返す負担だけが残ることがあります。月額をどれだけ下げたいのか、何に充てるのかを先に決めて比較しましょう。

金利・諸費用・団信をそろえて見積もる

比較する金利は広告の最低金利だけではなく、自分に提示される適用条件を確認します。固定と変動、保障の上乗せ、優遇条件が異なる案をそのまま並べると、期間延長の影響が分かりにくくなります。

変動金利を選ぶ場合、金利一定の試算だけで判断しないことも大切です。参考として、同じ2,000万円・25年を最初から年2.0%一定で計算すると、月額は約84,771円、費用60万円込みの総額は約2,603.1万円になります。これは途中で金利が上がるケースの再現ではなく、金利条件の違いを比べるための別の仮定です。実際の見直し時期や返済額のルールは契約で確認してください。

諸費用は事務手数料だけでなく、登記関係費用、現在のローンの完済にかかる費用など、必要な項目を見積もりでそろえます。費用を借入に含めるなら新しい元金が増えるため、現金払いの試算と同じ結果にはなりません。詳しくは住宅ローン諸費用を借りる場合と現金で払う場合で整理しています。

借り換えでは融資審査や団信の加入審査も改めて確認が必要です。現在と同じ保障が自動的に続くと考えず、加入できる条件、保障範囲、上乗せ金利を確認しましょう。銀行の解説も借り換え時の審査や団信を注意点として挙げています。参考:銀行公式解説「住宅ローン借り換えの注意点」。確認の順序は借り換え時の団信再審査・保障・費用で確認できます。

銀行に依頼する比較表のチェックリスト

まず現在の返済予定表を用意し、借り換え予定日時点の残高を確認します。そのうえで、期間を変えない案と延ばす案を同じ借入額・費用の扱いで出してもらいましょう。条件が異なる部分は欄を分けてメモします。

  1. 毎月と年間の支払額:ボーナス加算がある場合は月額だけで比較しません。
  2. 諸費用込みの総額:現金で払う費用とローンに含める費用を分けます。
  3. 5年後・10年後の残高:売却や住み替えの予定時期に合わせます。
  4. 完済年齢と退職時点の残高:収入が変わった後の返済額も確認します。
  5. 団信と繰上返済の条件:保障内容、上乗せ金利、手数料や最低金額を確認します。

将来の繰上返済で期間を短くする案は、実行できた場合とできない場合を分けてください。まだ貯まっていないお金を前提に、長期の返済計画を安全と判断しないためです。繰上返済の使い分けは、期間短縮型と返済額軽減型の違いを参照できます。

よくある疑問

毎月の返済が下がるなら、期間を延ばした方がよい?

毎月の余裕を優先する合理的な理由があり、追加の総負担と完済年齢を受け入れられるかによります。総額を減らす目的なら、同じ残り期間で借り換える案を先に比較すると判断しやすくなります。

借り換え後に、希望すればいつでも期間を延ばせる?

契約後の変更を自由にできるとは限りません。借り換え時に選べる期間と、契約後の条件変更の取り扱いは別です。後から延ばせることを前提に短い期間を選ばず、申込前に確認してください。

延長してから繰上返済すれば必ず得になる?

繰上返済の時期と額、手数料、手元に残す資金によって結果は変わります。まず繰上返済をしない場合でも無理のない計画を確認し、そのうえで余裕資金ができた場合の追加案として試算します。

まとめ:月額の安さと総負担を分けて選ぶ

借り換え時の返済期間延長は、毎月の支出配分を調整する選択肢です。ただし金利が下がっても、長く返すことで費用込みの総額が増えることがあります。現在のまま、同じ期間で借り換え、期間を延ばして借り換えの3案を並べましょう。

月額・総額・5年後残高に、完済年齢と団信の条件を加えて比較すると、家計に合う理由を説明しやすくなります。最低金利や月額の一部分で決めず、個別の見積もりと返済予定表を受け取ってから判断してください。

一次情報・試算の確認日

一次情報確認日:2026年10月25日。銀行の商品条件は変更される場合があり、利用可否は個別審査によります。試算は当サイトの仮定計算で、特定銀行の商品見積もりではありません。

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