住宅ローンの固定金利期間がもうすぐ終わる。銀行から案内が届いたものの、「そのまま変動にするか、もう一度固定するか、借り換えるか」で迷っていませんか。まず行うことは、満了日、手続期限、終了後に自分へ適用される金利と返済額を確認することです。
固定期間が終わっても、住宅ローン自体が完済になるわけではありません。また、何もしなければ同じ金利の固定期間が延長される、とも限りません。本記事では、固定期間選択型の満了時に比較したい3つの選択肢と、金利が変わる場合の家計への影響を整理します。
- 固定期間の終了日と、再設定の申込期限は別に確認する。
- 当初の金利ではなく、終了後の優遇幅を含めた適用金利で比較する。
- 金利だけでなく、残高・残期間・諸費用・団信までそろえて判断する。
固定期間の終了は「全期間固定の満期」と違う
ここで扱うのは、3年・5年・10年など一定期間だけ金利を固定する住宅ローンです。固定期間が終わった時点で残高があれば、その後の返済が続きます。完済まで金利を固定するタイプとは区別して、契約書や返済予定表の金利タイプを確認しましょう。
三井住友銀行の公式案内では、固定金利特約期間の終了後は変動金利型となり、その時点の金利で固定金利特約型を再設定する選択肢も示されています。ただし、残期間などによる利用条件があります。これは同銀行の案内であり、すべての銀行・契約が同じ取り扱いとは限りません。参照:住宅ローンの金利種類変更。
自分が何もしなかった場合の金利タイプと、最初に新しい返済額が引き落とされる日を確認してください。「案内を受け取った」「シミュレーションを見た」だけでは、再固定の申し込みが完了しているとは限りません。
当初の優遇幅が終了後も続くとは限らない
適用金利は、店頭表示金利・基準金利から契約上の引下幅を差し引くなどして決まります。当初固定期間の優遇が大きい商品では、その期間が終わると引下幅が変わる場合があります。市場金利だけでなく、優遇の仕組みも確認することが必要です。
三菱UFJ銀行の公式解説でも、当初期間優遇型は固定期間終了後に優遇幅が縮小し、借入時より適用金利が高くなる可能性が説明されています。参照:基準金利と適用金利の仕組み。今の新規借入向け広告金利が、既存契約の自分にもそのまま適用されるとは考えないでください。
銀行には「終了後の基準金利」「自分の引下幅」「団信などの上乗せ」「最終的な適用金利」を分けて聞きます。借入当時のパンフレットだけで判断せず、今回の満了案内や契約内容と照らし合わせると、数字の取り違えを減らせます。
再固定・変動・借り換えの3案を比較する
| 選択肢 | 確認したい点 |
|---|---|
| 同じ銀行で再固定 | 選べる固定期間、適用金利、手数料、次の満了後の条件 |
| 同じ銀行で変動 | 当面の金利、金利・返済額の見直し方法、上昇時の家計 |
| 他行へ借り換え | 審査、諸費用、団信、実行日、現在の銀行での完済手続き |
再固定は、支払いを安定させたい期間から考える
教育費が重なる数年間や、退職までの期間など、家計上どの時期の返済額を安定させたいかを考えます。金利の数字だけで最も短い期間を選ぶと、すぐ次の満了を迎え、また条件を見直す必要が生じます。反対に、近いうちに売却・完済する予定なら、その予定との整合も確認しましょう。
変動は、当面の月額だけで決めない
固定を選ぶ場合との月額差だけでなく、金利が上がった場合にも必要な生活費と貯蓄を確保できるかを確認します。「上がったら固定にする」案も、将来の固定金利が今と同じとは限りません。変更できる時期や手数料も含め、契約上の選択肢を把握しておきます。
借り換えは、諸費用を払っても有利かを見る
他行の条件がよく見えても、事務手数料や登記関係の費用などがかかります。今後の利息差だけではなく、費用を加えた総額と、何年利用する予定かで比較します。基本の検討手順は住宅ローン借り換えの費用とタイミングを参照してください。
残高2,000万円・残り20年なら、金利差で月額はいくら変わる?
以下は当サイト独自の仮定計算です。固定期間終了時の残高2,000万円、残期間20年(240回)、元利均等返済、ボーナス返済なしで、各金利が以後20年間一定と仮定しました。銀行の現行募集金利、個別見積額、将来の金利予測ではありません。
| 仮の年利 | 月々の返済 | 1.0%との差 |
|---|---|---|
| 1.0% | 約91,979円 | ― |
| 1.5% | 約96,509円 | 約4,530円 |
| 2.0% | 約101,177円 | 約9,198円 |
| 2.5% | 約105,981円 | 約14,002円 |
今後の総返済額は、それぞれ約2,207.5万円、約2,316.2万円、約2,428.2万円、約2,543.5万円です。月利は年利の12分の1、総額は丸める前の月額×240回で計算しています。月額差は表示した円単位の数字から算出しました。手数料・税効果・日割り・端数処理は含めていません。
1.0%から2.0%のケースでは、月額差は約9,198円です。これを家計に置き換え、教育費、管理費・修繕積立金、税金、車の費用などを払っても余裕が残るかを確認します。金利が変動する場合や途中で繰上返済する場合、実際の総額はこの表と変わります。
固定期間終了時にも「125%ルール」があると思い込まない
三井住友銀行の案内は、固定期間終了時の返済額を残高・残期間・新しい金利などで見直し、その増減に限度がないとしています。変動金利の返済額見直しに関する説明と、固定期間終了時の取り扱いを混同しないようにしましょう。
他の銀行でも、自分の契約について「固定期間終了直後の返済額に上限があるか」を個別に確認します。一般的な仕組みは5年ルール・125%ルールの注意点にまとめていますが、それだけを根拠に自分の増額幅を決めつけることはできません。
満了前の準備は「期限」から逆算する
最初に銀行の案内で満了日と受付期間を確認し、再固定の手続き方法を把握します。三井住友銀行の操作案内では、再設定の受付期間や時刻が定められ、新しい適用金利の決定前には取り扱いできないことも説明されています。詳細は固定金利特約期間の選択・手続き期間を確認してください。
期限は銀行や契約、手続き方法で異なります。「どの銀行も満了当日に申し込めば間に合う」とは考えず、自分の受付期限を日付と時刻まで記録します。操作可能な時間帯でも、受付と手続き完了が同じタイミングとは限らない点に注意します。
- 案内を受け取ったら:満了日、受付期限、何もしない場合の取り扱いを確認する。
- 条件を集める:再固定と変動の見積もり、希望する借り換え先の費用と日程をそろえる。
- 家計で比較する:新しい月額、金利が上がる場合、初期費用を払った後の預金を確認する。
- 手続きを決める:必要書類・実行日・完済手続きの段取りを確認する。
- 完了後:新しい返済予定表と初回の引き落とし額を確認する。
借り換えは審査や書類準備もあるため、固定の再設定だけとは所要期間が違います。満了までに借り換えが完了しない可能性があるなら、その間に現在のローンがどうなるかも借入先へ相談してください。
金利差だけでなく、手数料と団信をそろえる
比較するときは、同じ残高・残期間・返済方法で試算を出してもらいます。借り換え後の期間を延ばして月額が下がった場合は、金利差で安くなった部分と、返済を先へ延ばした部分を区別する必要があります。
初期費用の違いは定額型・定率型の手数料比較、追加保障の負担は団信の金利上乗せと費用の比較を合わせて確認できます。借り換え先の団信が今と同じ内容で加入できると決めつけず、保障と加入条件も比較します。
たとえば借り換え費用60万円、月々の差額5,000円なら、単純計算では120か月で費用と同額になります。ただしこれは残高差や金利変動、費用の借入、税効果などを無視した粗い目安です。売却予定が近い場合は特に、利用予定期間の終わりまでの返済額と残高を比較してください。
銀行へ聞くべき5つの質問
- 何も手続きしない場合、いつからどの金利・月額になりますか。
- 再固定で選べる期間と、自分の適用金利・引下幅はいくらですか。
- 申込期限、完了期限、手数料、必要書類は何ですか。
- 今回の見直しで、返済額増加の上限はありますか。
- 他行へ借り換える場合、完済の申出期限と費用はどうなりますか。
まとめ:終了後の条件をそろえてから選ぶ
固定期間が終わるときは、再固定・変動・借り換えを同じ残高と残期間で比較します。当初の金利や広告の数字だけを見ず、自分に適用される優遇幅、諸費用、保障まで確認してください。最初の一歩は、銀行の満了案内から手続期限と変更後の返済額を把握することです。
一次情報と確認日
確認日:2026年10月10日。下記の公式案内を確認しました。取り扱いは金融機関・契約により異なります。本文の返済額・回収期間は当サイト独自の仮定計算で、各銀行の現在の金利や個別条件を示すものではありません。


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